炙甘草湯は『傷寒論』にも出ている薬方ですが、『金匱要略』の<血痺虚労病篇>にも出ており、無理が重なって疲労状に陥り、気や血が十分巡らず、動悸や脈の結滞が起こってきたときにも使用されます。この娘さんには初めから炙甘草湯をあげたかったのですが、胃腸が弱く、下痢傾向があったので、地黄のはいった炙甘草湯が胃に障るのを考慮して、遠廻りした次第です。2003/06/02追記約一ヶ月前のことです。ごのご婦人が通じがないので便秘薬をと相談に見えました。典型的なバセドー氏病の症状です。証からいって炙甘草湯を与えたいところでしたが、下痢傾向があるので遠慮して、二段構えでいきますので少し長くかかりますよ、と断って、柴胡桂枝乾姜湯さいこけいしかんきょうとうをまず差し上げました。「一味といえどおろそかにすべからず」と肝に銘じた次第です。
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